これまでのブログで、海外の医薬品の流通・輸送に関係する文書、いわゆるGDP文書についていくつかご紹介してきました。日本では、「医薬品の適正流通(GDP)ガイドライン」と題する文書がGDPに該当します。
この日本のGDPも含め、世界的に見て主要なGDP文書は以下の通りです。
- ・米国のGDPに相当する医薬品サプライチェーン安全保障法(DSCSA)
- ・欧州医薬品庁(EMA)のGDP
- ・WHOのGDP
- ・PIC/SのGDP
- ・日本のGDPガイドライン
米国では、このほかにもGDPとして医薬品の輸送・保管の基準を示したUSP<1079>シリーズがありますが、こちらは一般公開文書ではありません。USP<1079>シリーズについては、過去のブログ「米国薬局方(USP)発行のガイドライン『GSDP』」および「米国薬局方(USP)が発行・開発する<1079>の関連文書」をご確認ください。
◆法的拘束力について
EMAのGDPおよび米国のDSCSAは規制であり(法的拘束力があり)、参考文書/ガイダンスではありません。このほかは拘束力のない参考文書/ガイダンスですが、関係者で共通言語/共通認識として参照される可能性があります。
◆文書構成について
PIC/S、EMAのGDP、ならびに日本の医薬品適正流通ガイドラインは、ほぼ同様の文書構成です。WHOのGDPは少し構成が異なっており、輸送の各工程の記述に加え、18章にActivities and operationsというまとめの章があります。