新型コロナのワクチンにおいて「コールドチェーン」というワードが有名になりましたが、以前より食品業界を含めてコールドチェーンを確立した物流システムが実際に動いていました。2011年の時点で、WHOが輸血用血液・血液製剤のガイダンス「Aide-mémoire for National Blood Programmes: the blood cold chain」を発行しています。
このガイダンスでは、輸血用血液・血液製剤の輸送に関する設備・人員・手順等の必要な要件を5つの視点で簡潔に整理し、チェックリスト(Aide-mémoire)にまとめています。
5つの視点とチェックリストの項目例は以下の通りです。
- 状況分析・ニーズアセスメント <Situation analysis and needs assessment>
・血液コールドチェーンに関わるプロセスのマッピング等 - 機器管理 <Equipment management>
・バリデーション、キャリブレーション、予防保全のためのプログラム等 - 品質システム <Quality system>
・プロセスおよび手順の妥当性確認、標準的な手順書、文書化等 - 人的資源 <Human resources>
・血液コールドチェーン運用に携わる全スタッフの教育・訓練等 - モニタリングと評価 <Monitoring and evaluation>
・重要管理点の監視と評価、改善・是正・予防措置のサイクル等
血液に特化したガイダンスではありますが、コールドチェーンの基盤要件を合理的に整理した文書となっており、他の分野でコールドチェーンを検討する際にも参考になると思います。