WHO(World Health Organization:世界保健機関)が発行する「感染性物質の輸送規則に関するガイダンス」(Guidance on regulations for the Transport of Infectious Substances)の2021~2022年版 が、WHOのウェブサイトにて2021年2月に公開されています。
本文書は感染性物質の輸送に関する教本のようなものであり、ヒト検体やその他生体試料の輸送関係者は一読すべきものと考えます。
輸送を業者に依頼する方にとっても、輸送物が感染性物質として輸送されるべきものか、また感染性物質の場合どのようなカテゴリーに該当するのか、といったことを判断する際に参考になると思われます(16ページのチャートで大枠を確認されることをお勧めします)。
本文書は2005年から何度か改訂されていますが、2021~2022年版にはCOVID-19のワクチンに関する記述も追記されています。
以下、同文書2021~2022年版の要約です。
・業務遂行のために、関係者(発送人、輸送業者、受取人)間の協力体制を構築する重要性を述べています。
・感染性物質、患者検体の輸送で留意すべきあらゆる視点を網羅した章構成となっています。
Section 1: Transport Regulations 輸送の規制
Section 2: Transport Stakeholders 輸送の関係者
Section 3: Training 教育訓練
Section 4: Defining a Material for Transport 輸送物の種類
Section 5: Classification of Infectious Substances 感染性物質の分類
Section 6: Preparing Packaging Requirements 包装の要求事項
Section 7: Marking & Labelling 表示とラベル
Section 8: Documenting Shipments 輸送のための文書
なお、国立感染症研究所のウェブサイトでは同文書2013~2014年版の日本語版が公開されています。