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2022.05.24

米国の医薬品卸売に関する規制文書

今回は、検体や治験薬の物流からは少し離れ、処方薬の配送について他国ではどのような規制があるのかをご紹介します。

日本においても、処方薬の個人宅への配送が注目されていることから、この分野にご興味のある方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、消費者や患者さんへの直接配送ではなく、販売業者や倉庫からの薬局等への配送(販売も含めた流通)に着目します。

米国での処方薬の流通に関する規制について調べたところ、連邦規則集(Code of Federal Regulations、CFR)の21章パート205に「GUIDELINES FOR STATE LICENSING OF WHOLESALE PRESCRIPTION DRUG DISTRIBUTORS」という文書がありました。これは、処方薬を取り扱う卸売企業に求められる要件(許可基準)をまとめた文書です。そのパート205.5では、処方薬の保管と取り扱いならびに物流の記録に関する要求事項として、「Minimum requirements for the storage and handling of prescription drugs and for the establishment and maintenance of prescription drug distribution records」が規定されています。

この規定に関するポイントは、以下の通りです。

  •   (a) 必要な施設要件への適合 <Facilities>
  •   (b) セキュリティの確保 <Security>
  •   (c) 保管条件の規定とその管理 <Storage>
  •   (d) 外観等、物品の状態の検査 <Examination of materials>
  •   (e) 返品、破損、期限切れの医薬品の処置 <Returned, damaged, and outdated prescription
        drugs>
  •   (f) 保管、輸送の記録の保持 <Recordkeeping>
  •   (g) 保管、取り扱いの要件と手順の文書化 <Written policies and procedures>
  •   (h) 責任者の分担と明確化 <Responsible persons>
  •   (i) 法の順守 <Compliance with Federal, State, and local law>
  •   (j) (規制の規定に従う)回収や再加工 <Salvaging and reprocessing>

処方薬を扱う卸売企業(製造業者を含む)に関する米国の規制であり、日本国内において直接関係する部分は少ないかと思いますが、上記のポイントは医薬品の配送に関する管理要件として一部参考になると考え、ご紹介しました。詳細はリンク先の文書をご確認ください。

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