今回は、グローバル製薬企業の業界団体「国際製薬団体連合会(International Federation of Pharmaceutical Manufacturers & Associations: IFPMA)」が公開している、ワクチンに関連する文書をご紹介します。
IFPMAはワクチンについて積極的に発信しており、COVID-19のパンデミックが発生する前にも、ワクチンの開発・製造や流通に関する課題のほか、次のようなレポートを公開していました。
- ・THE COMPLEX JOURNEY OF A VACCINE – PART I (2014年4月)
- ・THE COMPLEX JOURNEY OF A VACCINE – PART II Immunization Supply Chain, Delivery Innovation, and Regulatory Requirements(2016年6月)
- ・THE COMPLEX JOURNEY OF A VACCINE – PART III The Steps Behind Developing a New Vaccine(2019年6月)
PART IIでは、主に発展途上国のようなコールドチェーンがラストワンマイルで整備されていない地域のソリューションについて、ラストワンマイルのみ常温で温度管理輸送する「CONTROLLED-TEMPERATURE CHAIN(CTC)」を一つの可能性として提案しています。一方、今後も従来のようなコールドチェーンでの輸送・保管が必須となるワクチンもあり得るとしています。
COVID-19関連では、“Covid-19 Hub”にて各企業のワクチンや治療薬の開発状況等を発信しており、2022年4月には「COVID-19 vaccines and treatments output continues apace; as health systems and last mile hurdles remain collective stumbling blocks」というプレスリリースで意見を表明しています。
プレスリリースによると、業界として国のワクチン準備態勢を支援し、公平な配分に貢献するとしており、パンデミックに対処するための混合ワクチン、あるいは輸送・投与がより容易なワクチンの整備をこれからの課題としてあげています。ワクチン輸送における温度管理が負荷となり、流通に支障をきたすことがないよう、物流業界においても努力が必要だと考えさせられるリリースです。