2024年4月1日のブログで、WHO Technical Report Series(TRS)の「Supplement 12:陸路・空路での温度管理した輸送業務<Temperature-controlled transport operations by road and by air>」を取り上げました。今回は、そのなかから「2.5 冷却装置を利用した場合の管理<Managing refrigerated road shipments>」、ならびに「2.6 冷却媒体を利用した場合の管理<Managing passive container road shipments>」の項についてご紹介します。
- この2項は、それぞれ陸路での温度管理輸送における以下のケースを指しています。
- ・2.5 冷却装置:保冷車、または冷蔵庫が設置された車両を使用する場合
- ・2.6 冷却媒体:事前に予冷等を行った冷媒と断熱材を使用した温度管理輸送容器を使用する場合
- 各項のなかでは、輸送時の管理項目を以下の5つの工程に分けて整理しています。
- ・輸送前<Pre-shipment actions>
- ・発送時<Shipping day:actions at point of origin>
- ・運搬時<Actions during transit>
- ・到着時<Arrival day:actions at destination point(s)>
- ・輸送完了後のアクション<Post-shipment actions>
- 例えば発送時の管理項目では、「2.5 冷却装置を使用した場合」について、以下のような冷却装置に関わる12要件が提示されています。
- ・貨物室が清潔で空気の循環がなされ、温度が予備調整される。
- ・設定温度にコントローラーが調整され、かつ冷凍装置が適切に作動する。
- ・運転者に積荷温度等、輸送取り扱いの要件の明確な指示がなされ、緊急連絡先情報が提供される。
- 一方で、「2.6 冷却媒体を利用した場合の管理」では、以下のような包装・梱包の手順に関わる4要件が提示されています。
- ・製品を指定された方法で準備・包装し、承認済みの手順で梱包し、積み込む。
- ・必要な場合、温度表示機器やデータロガーを追加する。
注)
WHO Technical Report Series(TRS)のTRS 961「WHO EXPERT COMMITTEE ON SPECIFICATIONS FOR PHARMACEUTICAL PREPARATIONS」には、「Annex 9:温度管理が必要な医薬品の保管・輸送のガイダンス<Model guidance for the storage and transport of time- and temperature–sensitive pharmaceutical products(TTSPP)>」が付属しています。
さらに、16の「Technical Supplement」文書が発行されており、今回ご紹介した「Supplement 12:陸路・空路での温度管理した輸送業務<Temperature-controlled transport operations by road and by air>」はその一つです。これら文書の全体像は、2022年1月11日のブログおよび2022年1月25日のブログをご参照ください。