WHO(世界保健機関)は、ワクチンの流通や使用に関するガイド文書を多く発行しています。今回は、そのなかから、ワクチンの使用可否判断を行うためのVaccine vial monitor(VVM)に関する文書をご紹介します。
この文書では、VVMの概要とあわせて、色の変化で破棄の判断ができることが示されています。WHOのWebサイトよりダウンロードできます。
VVMは、WHOとPATH(Program for Appropriate Technology in Health)が中心となり、1990年代に共同開発されたものです。ワクチンのバイアルに貼り付ける不可逆性の小型ラベルであり、特定の温度を超えたことが視覚的に表示されます。
流通や接種施設(個別医療施設)の環境を完全に管理できない、また安定していない発展途上国でのワクチンの品質を管理する際に、VVMは役立っているようです。ワクチンの流通や保管環境に何かあった場合も、このラベルを確認すれば、ワクチンのバイアル自体が曝露した温度が許容範囲に収まっていたかどうかを判断できるため、貴重なワクチンの不要な廃棄を防げるというメリットがあります。
COVID-19のワクチンに関しても、WHOは「How to manage COVID-19 vaccines without VVM at vaccination service points?」というレポートを出しており、VVMを使用しない(できない)場合の注意点を啓蒙しています。
詳細はリンク先をご確認ください。