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2021.03.26

ヒト細胞(製品)の凍結保管 と輸送に関する米国の参考文書~USP1044~

米国薬局方(USP)より、2018年に「<1044> CRYOPRESERVATION OF CELLS」という文書が発行されております。細胞の冷凍方法に関して凍結前の処理方法から解凍処理まで網羅されており、かなり詳細な内容が記された標準文書です。

<1044> CRYOPRESERVATION OF CELLS
https://www.usp.org/sites/default/files/usp/document/our-work/biologics/resources/gc-1044-cryopreservation-of-cells.pdf

この文書は以下の内容を含んでおります。※正確な内容は原文をご確認ください。
●凍結保存の凍結前処理から解凍に至る、全工程の概要
●「ヒト細胞治療製品の凍結保存」における「保管と輸送」についての説明
・通常、-150℃以下の温度で保管および輸送する
・細胞療法製品の同種異系ドナーに対してのみ感染症の証拠のスクリーニングと検査を行う
・液体窒素を充填し、最大2週間気相温度を維持できる吸収性材料を含むドライシッパーを使用する
・データロガーは、輸送中の温度履歴を記録する
・輸送用コンテナと手順は出荷される前に検証する
●ヒト細胞(製品)以外の細胞(哺乳類・昆虫)についての説明

本文書では凍結保存に関する必要性について、(以下意訳・抜粋)「凍結保存は、細胞、組織、または臓器を超低温で冷却し、凍結前の機能を十分に表す in vitro またはin vivo 用途での使用を可能にする。また、凍結保存は細胞複製による遺伝子変異や亜集団の発生のリスクも最小限に抑える」と説明しています。

凍結保存に関する課題については、(以下意訳・抜粋)「細胞はそのまま凍結すると、しばしば破壊される。水の役割を理解し、細胞から水を適切に除去するか、細胞膜に損傷を与える氷の結晶を形成する能力を無効にすることは、凍結保存の成功に欠かせない。そのため、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、プロパンジオール、およびメタノールのような凍結防止剤(CPA)を適切に活用することが重要である」と述べています。

本文書は米国内における規制文書とはなっていないようですが、凍結保存に関する方法や手順の検討に関する参考文書として有用かと思い、ご紹介いたしました。

凍結細胞や治験製品等の輸送・保管でお困りのことがございましたら、弊社または弊社グループ会社の株式会社ファイセルまでご相談ください。

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