9月30日のブログに引き続き、2015年にWHO(World Health Organization:世界保健機構)が公開したワクチン輸送関連のガイドをご紹介します。今回取り上げるのは、「HOW TO MONITOR TEMPERATURES IN THE VACCINE SUPPLY CHAIN(ワクチンの流通における温度監視の方法)」というタイトルの文書です。
この文書では、ワクチンの適切な保管・流通に必要なコールドチェーン機器の日常モニタリング、機器の温度マッピング、流通時の温度評価等で利用する温度モニタリング機器の正しい使用方法について説明しています。
おもな項目は以下の通りです。
・ワクチンや希釈剤が温度に敏感であり、それぞれに推奨保管温度があること。
・サプライチェーンにおける温度上昇、あるいは凍結のリスクがあるケース。
・入手可能である、vaccine vial monitor (VVM)や30-day temperature recorder (30 DTR)等の温度モニタリング機器。
・上記機器を現場で活用し、定常監視、温度分布の測定、サプライチェーンの温度変動を測定する手順。
・温度データの評価、さらには、その記録を保持・管理する方法。
・機器の故障、電力供給障害、輸送のトラブル等の緊急事態に対応する重要性とその方法。
・温度モニタリング機器の校正の重要性と、その方法。
・人員のトレーニングや、監査への対応。
輸送前後もしくは輸送中のワクチンが熱や氷点下の温度にさらされないことを監視し、保証することが、品質を確保するうえで重要であることがわかる文書です。どうぞご参照ください。