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2023.12.11

<CTTI>分散型臨床試験の推奨事項に関する文書

Clinical Trials Transformation Initiative(CTTI)は、臨床試験の質・効率の向上を目指す米国の団体です。治験責任医師、政府・規制当局、産業界、施設審査委員会、患者団体等、500を超える団体と約80の会員組織が参加しているようです。今回は、CTTIが2018年9月に発行した文書「CTTI Recommendations: Decentralized Clinical Trials(分散型臨床試験の推奨事項)」に注目します。

    本文書では、分散型臨床試験(Decentralized Clinical Trials:DCT)の特長として以下を列挙しています。
  • ・被験者のアクセスの向上
  • ・データ欠落の削減、臨床試験スケジュールの短縮、データの解釈可能性の改善
  • ・被験者・被験管理者の利便性、快適性、コントロールの向上
  • ・被験者集団の多様性の拡大
  • ・在宅投与を目指す場合、投与・使用の実態の代表が可能

    分散型臨床試験の推奨事項については、以下の6項目を軸にまとめています。
  • ・分散型臨床試験の進め方とプロトコルの設計<DCT Approaches and Protocol Design>
  • ・遠隔医療に関する州認可の課題<Telemedicine State Licensing Issues>
  • ・医薬品のサプライチェーン<Drug Supply Chain>
  • ・移動可能な医療サービス提供者<Mobile Healthcare Providers>
  • ・治験責任医師の委任と監督<Investigator Delegation and Oversight>
  • ・安全性の監視<Safety Monitoring>

    分散型臨床治験の進め方とプロトコルの設計(DCT Approaches and Protocol Design)の項目では、重視すべき事項として以下が記載されています。
  • ・関係するステークホルダーとのすり合わせ
  • ・分散型臨床治験の経験者はもちろん、遠隔医療の実績ある関係者からその経験や懸念を聞き出し、プロトコルの完成度を上げること
  • ・SOPで以下のような項目を規定すること
  •   ・治験薬(IMP)投与の指示
  •   ・IMPの保管と在庫
  •   ・IMPの調剤
  •   ・温度逸脱または製品を損傷した場合の管理手順
  •   ・サプライチェーンロジスティクスの文書化(温度記録、温度逸脱した場合の処置等)
  •   ・受領者の受領確認
  •   ・IMPやその容器の回収

本文書は日本国内の遠隔治験の会議等でも取り上げられており、分散型臨床試験の検討において参考になる文書だと考えられます。

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