アメリカ合衆国運輸省(United States Department of Transportation:US DOT)傘下で航空輸送の安全維持に携わるアメリカ連邦航空局(Federal Aviation Administration:FAA)は、2022年にドライアイスを使用したコロナワクチンの航空輸送の実績調査を行いました。その結果を同年6月10日に「Vaccine Distribution Engagement Meeting」で報告した際のスライド資料が公開されています。
- 主な報告事項は以下の通りです。
- ・サプライチェーンの関係者(製造・出荷者、航空会社、施設関係者)は、FAAの規制・ガイダンス、および医薬品輸送の規則を遵守した。
- ・航空会社がコックピットおよび貨物エリアにおけるCO2濃度をモニタリングしたデータによると、ドライアイスの昇華量の基準値は2%だったが、実際のフライトではほとんどの機体で0.37%となった。これは、堅牢な梱包と温度管理技術によって昇華が低減されたためである。
- ・ワクチン輸送に向けた新基準の設定が、リスクの軽減と安全確保の強化につながった。また、関係者の直接的なコミュニケーションが官民パートナーシップの成功において重要な役割を果たした。
今後、米国の規制当局が新たに基準等を作成する動きが出てくるかもしれません。