感染性のある生体試料・検体の輸送に関して、過去のブログでWHOのガイダンスやUSDOT(United States Department of Transportation:米国運輸省)のガイドを取り上げました。今回は、こうした文書を受けて実際に研究機関や大学がどのような取り扱いを行っているのか、ハーバード大学を例にご紹介します。
ハーバード大学では、ガイダンス文書として「Transport of Biological Materials, Infectious Substances and Dry Ice」を公開しています。この文書には、IATA(International Air Transport Association:国際航空運送協会)やUSDOTが規定するトレーニングのほか、適切な梱包を行うことや、発送・受け取り時に確認すべきことが記されています。
輸送については、公共交通機関をはじめ、UberやLyftなどの配車サービスの利用を禁止しています。自家用車や大学の車は推奨しないものの、場合によっては許可するとし、タクシーは運転手に拒否権がある前提で自分自身が同乗すれば可能としています。さらに、きちんと梱包していれば医療用宅配便の利用は選択肢となり得るなど、米国の交通・運輸状況を推察できる記載もありました。
ご参考になりましたら幸いです。