今回は、WHOが発行した「保管区域の温度マッピング<Temperature mapping of storage areas>」をご紹介します。
この文書は、「時間・温度に敏感な医薬品の保管・輸送のモデルガイダンス<Model guidance for the storage and transport of time- and temperature-sensitive pharmaceutical products(TTSPP)> – WHO Technical Report Series(TRS)No. 961, 2011, Annex 9」の付属書8<Supplement 8>に相当します。温度管理保管区域(冷蔵室、冷凍室等)における、温度マッピング(温度分布の把握・文書化<mapping>)の手順を示したガイダンスです。
- 新規の温度管理保管区域では、設備の完成・引き渡し前に温度マッピングを行わなければならないとされています。実施すべき事項の概略は、以下の通りです。
- ・保管区域全体における、空の状態および通常の積載状態での空気温度プロファイルを示す。
- ・TTSPP保管に適さない区域(冷却コイル、冷気流、熱源の近傍区域等)を特定する。
- ・必要に応じ(例:停電時)、指定限界温度を超えるまでの時間を実証する。
- 温度マッピングは、大きく分けて「手順書の作成」「作業の実施」「報告書の作成」「是正措置の実施」の4段階で構成され、実際の手順や細かい内容は以下のセクションにまとめられています。
- 2. ガイダンス<Guidance>
- 2.1 関連資料と機器<Associated materials and equipment>
- 2.2 温度マッピングの手順<The mapping protocol>
- 2.3 温度マッピングの作業の実施<Conducting the mapping exercise>
- 2.4 データ分析と報告書(温度分布図)の作成<Analysing the data and preparing the mapping report>
- 2.5 報告書の提言の実施<Implementing the mapping report recommendations>
- たとえば、以下の記述がみられます。
- ・温度は、1分~15分の範囲で記録間隔を設定できる、電子データロギングモニター(EDLM)で測定する。また、温度マッピングで想定される温度範囲を記録できるEDLMを、十分な数用意する。
- ・保管エリアが空の状態と、TTSPPを保管している状態の両方で実施する。季節的な変動がある場合は、最も暑い季節と最も寒い季節にそれぞれ1回ずつ実施する。
なお、WHO Technical Report Series(TRS)No. 961, 2011, Annex 9に付随するほかの付属書<Supplement>のうち、Supplement 11、12、13、14、15は過去のブログでご紹介しています。ご興味のある方は、どうぞご参照ください。
