2021年12月3日のブログで、米国政府が主導し、細胞製造の大規模化、コスト減、再現性を目指すための課題と必要なアクションをまとめたロードマップ「CELL MANUFACTURING ROADMAP TO 2030」をご紹介しました。
このロードマップのリンクがある「NATIONAL CELL MANUFACTURING CONSORTIUM(NCMC)」のWebサイトでは、バイオマニュファクチャリング、特に再生医療・遺伝子治療の細胞製造におけるニーズに関して、産学の有識者で行ったワークショップの成果をまとめたホワイトペーパー「Research Infrastructure Needs to Support U.S. Leadership in Biomanufacturing」も公開しています。今回は、こちらの文書についてご紹介します。
上記のホワイトペーパーでは、今までのロードマップを更新する形ではなく、再生医療における細胞製造に関するニーズの議論を以下の分野ごとにまとめています。
• Facilities and Equipment
• Systems and Tools
• Education and Workforce
• Supply Chain and Distribution
特に輸送・物流関係では、新型コロナウイルスのパンデミックで医療に限らず問題がいろいろと浮上したことを受け、「原材料の確実な供給」「適切な保管施設」「製品流通計画のための情報インフラと物流サポート」等を課題項目としてあげています。また、課題解決を実現する一つの方向性として、標準化や認証の仕組みづくりも提示しています。
再生医療分野の輸送・物流の課題を把握する際に有用な文書であり、本分野全体における米国の課題認識を知るうえでも参考になると考えます。