アメリカ合衆国運輸省(United States Department of Transportation:US DOT)傘下で、航空輸送の安全維持を担当するアメリカ連邦航空局(Federal Aviation Administration:FAA)は、運行者に対し、安全注意喚起文書(Safety Alert for Operators:SAFO)を発行しています。
今回は、そのなかからCOVID-19 ワクチンの超低温輸送で大量のドライアイスが使用された、2020年発行の「SAFO 20017, Transportation of COVID-19 Vaccines Requiring Large Quantities of Dry Ice(ドライアイスを冷媒にして航空輸送するケースについてのガイダンス)」をご紹介します。
- この文書では、ドライアイスを使用した貨物を航空輸送する際、下記の項目について考慮することを推奨しています。
- ・航空機メーカーが提供・推奨する、航空機の換気能力が許容する最大ドライアイス量
- ・ドライアイスの正確な昇華速度
- ・ドライアイス昇華による重量減少が与える航空機の重心への影響
- ・空調パックや補助動力装置(APU)を含む、環境制御システムの完全作動と効果的な換気
- ・リスクコントロール用に機内に設置・携帯するCO2センサー
- ・CO2検知器の警報やシステム異常が発生した際のパイロットの意思決定手順と訓練
- ・地上作業中にCO2蓄積を軽減させるための最大限の換気
- なお、同文書の付録には以下の情報が掲載されており、ドライアイスに関する一般的な知識を得るうえでも役立つ内容となっています。
- ・ドライアイス、炭酸ガスとは何か
- ・炭酸ガス過剰暴露と低酸素症の違い
- ・炭酸ガス過剰暴露の症状と健康への影響
- ・ドライアイス昇華の航空輸送への影響
詳細はリンク先の文書をご確認ください。