米国の臓器調達・移植ネットワーク(Organ Procurement and Transplantation Network:OPTN)は、米国の臓器調達団体(Organ procurement organization:OPO)をはじめとする、臓器提供・移植システムの組織をつなぐネットワークです。今回は、OPTNの移植に関するポリシー文書内にある、輸送に関する記述についてご紹介します。
同文書のPolicy 16には、包装、表示、出荷、保管<Organ and Extra Vessel Packaging, Labeling, Shipping, and Storage>の項があります。
その項には、包装および表示に関する要件<Packaging and Labeling Requirements for Living Donor Organs and Extra Vessels>や、付随文書<Documentation Accompanying the Organ or Extra Vessel >、出荷前の情報確認・記録<Verification and Recording of Information before Shipping>等の記述が見られます。
16.3 包装およびラベリング<Packaging and Labeling>では、内部包装<Internal Packaging>と外部包装<External Packaging>の両方が必要であること、内部包装は三重の無菌バリアを有し、内容物を示す規定のラベル表示があることが要件として記載されています。また、外部包装の種類(使い捨ての輸送箱<disposable shipping boxes>、保冷箱<coolers>、機械式保存機<mechanical preservation machines>)も挙げられています。
16.7 輸送の責任<Transportation Responsibilities>を確認すると、受け入れ側のOPOが往復輸送手段を確保する責任を持つと記載されており、基本的には輸送コストも臓器の受け入れ側が負担することになっているようです。
ポリシー文書であるため、細かい要件まで規定されていませんが、移植システムのなかでの輸送・保管も一つの重要な要素であることが示されています。