米国組織バンク協会(The American Association of Tissue Banks:AATB)は、移植等に使用される組織のドナー提供を増やすとともに、その組織が均一かつ高品質な形で提供される環境の実現を目指して設立された非営利の業界団体、基準設定機関です。米国を中心に、組織バンクの認定を行っています。
認定には、AATBが作成した「Standards for Tissue Banking」が基準として用いられています。本文は非公開ですが、AATBのウェブサイト上で紹介ページを確認できます。同基準には、組織の輸送/輸送梱包に関する要求事項も示されており、AATBはその詳細のガイダンス文書として「Qualification of Packaging and Validation of Shipping/Transport Procedures」を別途公開しています(2017年10月)。
- ガイダンス文書の目次は、以下の通りです。
- I. Introduction
- II. Quality Systems and Documentation
- III. Test Methods and Sampling Plan
- IV. General Requirements for Packaging
- V. Assessing Suitability for Intended Use
- VI. Design and Development
- VII. Packaging Process Validation
- VIII. Package Performance Testing
- IX. Shipping/Transport Procedure Validation
- X. Package Stability Testing
- XI. Process Changes and Revalidation or Re-verification
- XII. References
- XIII. Annexes
輸送梱包の試験、検証、仕様に関する記述に加え、「Shipping/Transport Procedure Validation」の章では、以下のような温度条件と滅菌バリアの完全性の担保を中心としたバリデーション/検証に関する記述が見られます。
- ・ バリデーションが輸送容器メーカーや第三者の検査機関で実施される場合でも、そのバリデーションに準拠し続けることを確実にして運用していくことは組織バンクの責任となること
- ・ バリデーションできない場合であっても、温度ロガー等を使用して温度条件が遵守できていたかを検証できること
- ・ 輸送方法、ラベリング、使用材料、地域の規制、能力、必要な環境条件等を考慮すべき事項とするとともに、特別な事象(例えば、輸送途中の冷媒補給)に注意すること
- ・ 受領時に輸送容器の目視検査および組織包装の完全性検査を含めること 等
詳細は、リンク先の文書をご確認ください。