今回は、PIC/S(Pharmaceutical Inspection Convention and Pharmaceutical Inspection Co-operation Scheme:医薬品査察協定および医薬品査察共同スキーム)が発行しているGDP文書「PIC/S GUIDE TO GOOD DISTRIBUTION PRACTICE FOR MEDICINAL PRODUCTS」(2014年6月発行)をご紹介します。
PIC/Sは、医薬品分野における国際的に調和されたGMP基準および査察当局の品質システムの開発・実施・保守を目的とした、日本を含む査察当局間の協力組織です。GDPだけでなく、GMPに関連する文書も数多く発行していますが、現時点でPIC/Sは法的拘束力を背景に文書を発行しているわけではありません。あくまで参加している各国の規制当局間の共通認識を示す文書との位置付けであり、実質的な国際標準ともいえます。
PIC/S GDPに記載されている具体的な内容は、品質管理、人材、設備、文書化、業務、異常時の対応、業務委託、自己監査、輸送等となっており、欧州医薬品庁(EMA)のGDPと似ています。
- <目次>
- CHAPTER 1 — QUALITY MANAGEMENT
- CHAPTER 2 — PERSONNEL
- CHAPTER 3 — PREMISES AND EQUIPMENT
- CHAPTER 4 — DOCUMENTATION
- CHAPTER 5 — OPERATIONS
- CHAPTER 6 — COMPLAINTS, RETURNS, SUSPECTED FALSIFIED MEDICINAL PRODUCTS AND MEDICINAL PRODUCT RECALLS
- CHAPTER 7 — OUTSOURCED ACTIVITIES
- CHAPTER 8 — SELF-INSPECTIONS
- CHAPTER 9 — TRANSPORTATION
「CHAPTER 9 — TRANSPORTATION」では、供給元卸売業者の責任や、リスクベースアプローチで輸送計画を立てることから始まり、逸脱が生じた場合の対処、車両・設備の運用・保守の手順の書面化、容器や温度管理等についても説明されています。
詳細はリンク先の文書をご確認ください。