今回は、米国のFDAが発行している、医薬品の容器・包装の表示に関するガイダンスをご紹介します。輸送容器や輸送における留意点とはポイントが異なりますが、医薬品を安全に使用するために作成されており、ミスが発生しにくい表示について検討する際に参考になると思います。
ご紹介するガイダンスは、「Safety Considerations for Container Labels and Carton Labeling Design to Minimize Medication Errors」という名称で、2022年5月にFDAが公開したものです。タイトルに「to Minimize Medication Errors(投薬ミスを最小限にするため)」とある通り、ヒト用処方薬や生物学的製剤の製品容器ラベルおよびカートンラベルのデザインにおいて、製品の安全な調剤、投与、使用を促すべく、その原則と推奨事項が記載されています。なお、梱包の表示は対象外です。
- また、投薬過誤の例として次のような項目をあげており、その対応方法についても言及しています。
- ・複数の類似製品ラベル
- ・ラベルの表示を乱すテキストや画像
- ・間違いが生じやすい略語
- ・フォントサイズやスタイルによるテキストの読みにくさ
- ・配置や表示が目立たない重要情報(製品名、剤形、強度等) 等
- さらに、推奨事項の例として以下のようなポイントをあげています。
- ・容器ラベルやカートンのラベルは十分な大きさにすること
- ・文字の大きさを12ポイント以上にすること
- ・文字が読み取れない色の組み合わせ(薄い色)を避けること
- ・誤解を招きやすい略語、頭字語、記号を含めないこと(マイクログラムのμgはミリグラムのmgと間違われる可能性がある等) 等
詳細は上記リンク先の資料をご確認ください。