米国には、ライフサイエンス企業、研究機関・施設、サービスプロバイダー、患者擁護団体、規制機関等100以上の団体で構成される、DTRA(Decentralized Trials & Research Alliance:分散型臨床試験推進団体)という2020年設立のNPOがあります。DTRAは、以下の4つの優先課題<priority>を設定し、適切かつ一貫した分散型臨床試験(DCT)の手法が広く採用されることを目指し、活動しています。
- ①用語定義の標準化
- ②ベストプラクティスの推進
- ③情報共有と教育プログラム
- ④規制への対応
その活動の一環として、DTRAは2022年3月に「Decentralised Trials - Best Practice Evaluation(分散型臨床治験 - ベストプラクティス評価法)」を公開しています。この文書では、ベストプラクティスを確立するためのルーブリック(rubric:達成度合の基準)を次のように明示しています。
- 1. 成功の証拠<Evidence of success>
- …測定可能かつ実証可能な成功を収めること。
- 2. 患者体験の改善<Improving patient experience>
- …患者、介護者、治療専門家のニーズに対応すること。
- 3. 現場の影響<Site impact>
- …実際的な価値を現場にもたらすこと。
- 4. 運用および技術の実現可能性<Operational and technical feasibility>
- …作業プロセスや技術の継続的サポート、完全性、拡張性等、運用および技術的側面を評価すること。
- 5. 規制と倫理の遵守<Regulatory & ethical compliance>
- …グローバル・ローカルの規制とガイダンスを適切に考慮すること。
特に「4. 運用および技術の実現可能性」では、実証すべき事項として配送管理をあげ、試験を通じて以下の実施を求めています。
- ①役割・責任の文書化
- ②パフォーマンスならびに同調性(患者、施設、ベンダー)の評価方法の文書化
- ③問題と傾向、改善の追跡
こうした記述からも、配送が重要な管理・評価要素とされていることがわかります。詳細はリンク先文書をご確認ください。