2023年12月に米国のFDAは、同機関の生物製剤評価センター(Center for Biological Evaluation and Research:CBER)が行う「再生医療のコンセンサス標準の認知プログラム(Voluntary Consensus Standards Recognition Program for Regenerative Medicine Therapies)」において、再生医療等製品の開発・評価を促進するための標準が特定・認知されたことを、文書のリストとともにウェブサイトで公開しました。同プログラムは、これらの標準の使用を推奨するものでもあり、FDAの審査だけではなく関係業者のあいだでも活用が進むことが見込まれます。
なお、2021年1月のブログでご紹介した、細胞治療・再生医療に用いる細胞や組織(原料/製品)の輸送・物流に関する国際規格『ISO 21973:2020 Biotechnology — General requirements for transportation of cells for therapeutic use』も、これらの標準の一つとして記載されています。
- FDAはガイダンス文書「Voluntary Consensus Standards Recognition Program for Regenerative Medicine Therapies」のなかで、プログラムで認知された標準について以下のように説明しています。
- ・このプログラムにより、認知された標準の全部または一部が製品開発や審査に適切であると一般的に認められたことを、FDAのスタッフや外部の利害関係者に伝えることができる。これらの標準を活用することで、提出する文書量の削減とFDAの審査時間の短縮が可能になる。
- ・ 認知プログラム以外の標準の参照を禁止するものではない。ただし、その場合は意図した目的に適合するかをFDAが評価することになる。
FDAはガイダンスを作成・発行するだけではなく、公開された標準・国際標準を審査に活用しようとしていることがわかります。