2023年7月31日のブログで、FDAが遠隔臨床試験に関するガイダンスの草案「Decentralized Clinical Trials for Drugs, Biological Products, and Devices - Guidance for Industry, Investigators, and Other Stakeholders」について意見を募集していることをお伝えしました。草案段階であった同文書の最終版が、「Conducting Clinical Trials With Decentralized Elements / Guidance for Industry, Investigators, and Other Interested Parties」というタイトルで公開されています。
草案と最終版を比較すると、目次に大きな変更はありませんが、「治験薬の包装、出荷及び保管<Packaging and Shipping of Investigational Products>」のセクションが整理され、要件が「治験責任医師の責務」と「スポンサーからの治験関連文書の記載事項」というように、役割ごとに明確に分けられています。
- 「治験責任医師の責務」では、治験責任医師が医療従事者<health care providers (HCP)>への治験薬<investigational products(IP)>供給を監督する責任について、次のように説明しています。
- ・取り扱い、包装、発送、追跡に関する手順および文書や記録について治験に関わる担当者にトレーニングを受けさせること。
- ・治験薬を流通・物流サービスで治験参加者やHCPに直接配布する場合、流通・物流業者による治験薬のリリースを承認すること。また、治験の計画書や関連文書に従った方法で、治験参加者または現地HCPによる受領を確認し、スポンサーの指示に基づく未使用治験薬の返却・廃棄を記録すること。
- ・治験薬を治験参加者に直接発送する場合は、治験参加者が治験薬の使用に関する適切な指示を受けていることを確認すること
- 「スポンサーからの治験関連文書の記載事項」では、以下を記載する必要があるとしています。
- ・輸送中に治験薬の完全性<integrity>と安定性<stability>をどのように維持するか(温度管理等、適切な包装材料および方法を含む。なお、輸送容器には治験薬を取り扱い、保管する受取人への明確な指示と、未使用の治験薬を返却するための指示が含まれている必要がある)。
- ・治験責任医師<investigator>が治験薬の受領を追跡し、記録する方法。
- ・未使用の治験薬を返却・廃棄する方法と、その記録方法。
このほか、詳細はリンク先の文書をご確認ください。