今回のブログでは、アメリカ連邦航空局(Federal Aviation Administration:FAA)のリチウム電池・リチウムイオン電池に関する注意喚起サイトをご紹介します。
アメリカ合衆国運輸省(United States Department of Transportation:US DOT)の傘下で航空輸送の安全維持を担当するFAAは、「PackSafe - Lithium Batteries」というウェブページで、リチウムバッテリー<Lithium Batteries>、すなわち(再充電可能な)リチウムイオン電池、ならびに(単回使用の)リチウム電池の航空機持ち込みに関して注意喚起しています。
- 注意喚起の概要は以下の通りです。
- ・リチウム電池のリチウム含有量は、1個あたり2グラムまで。リチウムイオン電池は、1個あたり100ワット時(Wh)までの定格容量に制限される。すべてのリチウムイオン電池・リチウム電池は安全試験を受ける必要がある。
- ・スマートフォン、ノートパソコン、ポータブル充電器等に使われているリチウムイオン電池は、過熱し、熱暴走<thermal runaway>を起こす可能性がある。
- ・機内でのリチウム電池の火災に対応できるよう、乗務員は訓練を受けている。
- ・予備(未装着)のリチウムイオン電池・リチウム電池、あるいは外部バッテリー充電器(モバイルバッテリー等)は、乗客が手荷物<carry-on baggage>として持ち込む必要がある。
- ・バッテリー端子は短絡しないように保護すること。損傷あるいはリコール対象のバッテリーは、そのまま航空機内に持ち込むことはできない。
- 「バッテリーを含むポータブル電子機器」については、こちらのページで以下の注意事項が示されています。
- ・ノートパソコン、携帯電話、電子機器、データロガー等の電子機器は機内持ち込み手荷物<carry-on baggage>、あるいは受託手荷物<checked baggage>として持ち込み可能。
- ・受託手荷物<checked baggage>とする場合、完全に電源をオフにし、誤起動や損傷を防ぐ。
- ・未装着のリチウム金属電池およびリチウムイオン電池は、受託手荷物<checked baggage>としての持ち込みは禁止。手荷物から取り出し、乗客が機内客室に持ち込む。
- ・損傷あるいはリコール対象のバッテリーは、そのまま航空機内に持ち込むことはできない。
なお、FAAはリチウム電池を使用・輸送する関係者向けに、さまざまな資料を「Lithium Battery Safety Resources」というページで公開しています。
リチウム電池については、安全性の懸念から、チェックインや機内持ち込みのルールがより厳しくなる傾向ですので、今後の動向を注視する必要があります。
※日本でも、国土交通省が2025年7月1日付けで、モバイルバッテリーを機内に持ち込む際は収納棚に入れず、常に状態を確認できる場所に置くよう通知を出しています。ご参考までに共有いたします。