今回は、アジア太平洋経済協力(Asia Pacific Economic Cooperation:APEC)の委員会が発行した文書「GDPにおけるQMSの役割」をご紹介します。
APECは、アジア太平洋の21の国と地域の経済協力を目的とする協議体で、その首脳会議はたびたびニュースでも取り上げられています。APECには、域内の医薬品・医療機器の規制調和の推進を目的とする規制調和運営委員会(Regulatory Harmonization Steering Committee:RHSC)があり、優先作業領域<Priority Work Areas>として医薬品の安定供給<Global Supply Chain Integrity>を挙げています。
RHSCは、優良研修センター(Center of Excellence:COE)を中心に、規制当局やアカデミアによる関係者への研修、ロードマップ・カリキュラムの文書作成等を行っています。サプライチェーンの基盤整備に関する活動の一環で、「RHSC Global Supply Chain Integrity Security Toolkit」という情報・資料を作成・公開していますが、そのなかに今回ご紹介する文書「GDPにおけるQMSの役割」があります。
- この文書では、GDP遵守のために品質マネジメントシステム(QMS)で検討すべき項目を列挙しており、輸送に関するものもあります。
- ・文書化と手順<Documentation And Procedures>
- 品質マニュアル<Quality Manual >、標準操作手順書<SOP>、ラベル<Labels> 、品質契約<Quality Agreements>、供給者適格性評価<Supplier Qualification>、逸脱対応<Excursion Handling>
- ・教育訓練<Training>
- ・資源<Resources>
- 保管<Storage>、輸送<Transportation>(下記参照)、人員<Personne >、施設<Premise>、設備<Equipment>
- ・適格性確認と検証<Calibration Of Instrument And Device>
- 計器・装置の校正<Qualification>、情報システムの検証<Validation of Information Systems>
- 輸送<Transportation>の記述から抜粋した主なポイントは、以下の通りです。
- ▯・輸送資源の重要性
- - 輸送中の適切な保管と流通の確保に不可欠な要素
- - 製品の安定性や包装の完全性に影響する環境要因からの保護
- ▯・輸送車両の種類
- - 一般使用:トラック、バン、列車、航空機、船舶
- - 特殊用途:郵便配達車両、救急医療サービス車両
- - 利用目的に適した車両の選定
- ▯・環境対策
- - 極端な温度や振動等、品質を損ないかねない条件への曝露防止
- - 輸送中の製品の完全性、安全性、セキュリティの維持
APECが医薬品の安定供給のために推進しているGDPを、QMSの観点で整理した資料となっています。詳細はリンク先の文書をご覧ください。
